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東山魁夷展 詩と旋律―遍歴の山河 [VISUAL&ARTS…観る。]

東京国立近代美術館 2008.3.29~5.18

――目の前に現れた光景…まさしくそれは海であった。
遠く潮騒すら聴こえてくるような。
唐招提寺障壁画、「濤声」。

東山魁夷の絵と言えば国語の教科書で見たひとも多いだろう。
またホテル・銀行等のロビーでお目にかかったひともいるだろう。
叙情的であり精神性に富む作品群は現代日本人の感性にダイレクトにヒットする美学を持っている。印刷されたものはイラストレーションの趣きも否めないが流石に生の作品は訴求力も強い。観覧した昨夜4月18日は朝からの大嵐であったが、夜間開館の閉館1時間前でも多くのひとが来場していた。
大きな絵でも至近距離で佇むひとが何人か。
まるでその世界、その作品の醸す空気に包まれたいとでも言うように、しばし動かぬひと。
静謐でありながら観る者が世界に入り込もうとするのを拒まないのは、作品の持つ力であろうか、そこに居るような錯覚を感じさせるのは、抑えた色数ながら内に引き込むだけでなく外部に向かう華やかさがあるせいだろうか。

生誕100年、没後10年という記念の年。
初めて魁夷の作品に触れたのはいつだったか。まだ10代だったはず。
日本画でありながらヨーロッパ的な(実際北欧・ドイツに取材した作品ではある)、まさに精神世界、心象風景のような作品たちにまぎれもなく直撃されたわけであるが、自分も歳をとってみるとむしろ「京洛四季」連作のほうがしっくりくる。
いずれにせよ現代日本画と言うある種装飾的意匠をとりこんだジャンルならではの表現方法は、単純な「画」であるからこそ力量が問われ、またそれゆえに見る者の「こころ」に直接飛び込んでくるのだろう。
展示は大回顧展ということで点数も多かった。そして展示の最後に冒頭の障壁画。
これだけを観に、もう一度行ってみてもチケット代以上の価値はあると思う。(我ながら卑近だが…)

公式ホームページ→こちら
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